芸術の秋、教室の皆さんも色々と頑張っています。様々なコンクールに挑戦し自分の音楽づくりに邁進している方、合唱コンクール本番に向けて伴奏を頑張ってる中学生さん、そして10月は、曲が仕上がりそうな生徒さん達にお声かけして、教室のYouTubeチャンネルに演奏動画をあげさせていただきました。こちらは教室生のみの限定公開ですが、これからできるだけ活用していきたいと思っています。今回アップ出来なかった方達も是非次の機会でチャレンジしてくださいませ!
今回の動画、本番間際でない方には楽譜を見ながら演奏してもらいましたが、今回特に思ったこと。年齢の小さな生徒さん達の動画をズラリと観てみると、みなさんしっかりと顔をあげて、楽譜を見て手元は見ないで演奏してるではないですか☆パチパチパチパチ☆ 。これは小さな子にとっては本当に難しいこと。中にはピアノを初めてまだ半年にも満たない生徒さんもいるのに、全く手元を見ないで気持ちよさそうに体を揺らしながら、お歌もつけてはじめから終わりまでテキストだけを見て伸び伸びと弾いています。
基本的には、ピアノレッスンが始まって二年くらいまでは(幼児コース=いわゆる導入期)、テクニック面の具体的指導は控えるようにしています。それは、とにかく心を開放してじゃんじゃん弾いてい欲しいから。幼児コース終了までに必ず身につけていただきたいテクニックは大まかに二つだけとしていて、①姿勢、②目線、以上!。先生方の中には、はじめが肝心…と、手の形や指先の反りかえりなどかなり細かくご指導なさる方もいらっしゃるかもしれませんが、私は全く逆で、はじめに指や手首のことを言い出すとどうしても「音楽やりたい!!」のエネルギーが減ってしまうので><この時期テクニック面の目標は大きく二つだけ!としています。
一つ目の”姿勢”は、言わずもがなで、とにかくしっかり足をつけてキチンと座る。それ以外の体や手のことはあまりうるさく言いません。もし演奏もままならないほどの”手”になってしまっていたら、その時は簡単に少しだけアドバイスさせていただいています。ただし、”ピアノを弾くってなんだか矯正ばかりで窮屈な作業だなぁ〜”となってしまわないよう、できるだけ大まかなアドバイスにとどめています。そして2つ目の”目線”、いわゆる”ブラインドタッチ”です。ピアノで言うところの”ブラインドタッチ”とは、視線を楽譜に向けたまま手元は見ないでミスなく弾くことです。これは二年もすればいつの間にかできるようになるのですが(その辺りのことをしっかり結びつけてもらっていない方は、数年経ってもできない方もあるのでその場合は指導が必要です。)私はその感覚をキチンとした形で定着させてあげたくて、初歩の段階から取り組んでいただいています。と言っても、生徒の皆さんは、ん?どれがそのための練習なの?と思うかもしれませんね^ ^。はい、人知れず?いざなっております=(^.^)=。
経験を積んだ今となっては、ブラインドタッチに導く為のアプローチはそう難しい指導スキルではありません。キチンと正しい段階を踏んであげれば本人気付かないうちにいつの間にか身につくスキルです。が、講師になりたての若い頃は、その重要性を全くわかっていなかった…(◞‸◟)単に言葉で「手を見ないでね」とか、時に手元を下敷きやノートで隠してみたり…。勿論これらのことは現在もたまにやってることですが、いやいや、手を見るな…といきなり隠されてもねぇ〜。そこまでに踏まなければいけない段階を踏んでからそれをやらないと、ただ窮屈なだけで、お家に帰ればまた元通りですよね><。それと、よくSNSなどでお見かけするのが、生徒さんが演奏する傍らで、先生が今弾いてる場所の音符を鉛筆などで指し示していらっしゃる……新しい曲に入ったばかりの段階では生徒さんによってはそのサポート必要かも知れませんが、回数を重ねるとともに先生が音符を指で追ってあげるのは控えなくてはなりません。
一口にブラインドタッチと言っても、目的は、「見ていなくともミスなく弾く」…という”手の方”にあるのではなく、「楽譜をリアルタイムで読む」という”脳の方”にあるのです。演奏しながら、拍にのって音符の玉を目で追えるようになったら、その次の段階では→少し先の音符を見る…や→音符を塊で読む…や→大譜表においては左の音をまず先に見る…などなど、視線のスキルは=脳の使い方に繋がっていきます。はじめは単に手元を見ない…ということだけだったところ、それに付随して思考も徐々にスキルアップさせていかなくてはなりません。このことは、将来の譜読みスピードに大いに繋がりますし、何よりそのずっと先の”楽譜”と言うものに対する”価値観”をも変えてしまう…と思っています。楽譜を読み込むことは演奏者としてのバックボーン・精神的支柱となりますから、入り口のまたその入り口となるブラインドタッチは(かなり遠い^^;)きちんと段階を踏んで丁寧に導いてあげる必要があると思っています。矛盾してるようですが、全ては「最終的に暗譜で弾いた時に”楽譜”に縛られないようにする為」…です。
でもまずは難しく考えないで、何事も心をときめかせたまま導いてあげられたらいいなぁ〜と思っています。心を開放しよ〜う!まだまだ修行です!頑張ります!!
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