練習の引き出し

最近は、小さな生徒さん達の中にも、「譜読みは楽しい〜」という方が増えてきて嬉しい限りです。それにしても、どの方も皆さんいつも本当に頑張って練習をしてくださっていて、つくづく有り難いなぁ〜と思います。こればかりは親御さんの協力無しにはできない事です!心から感謝申し上げます。とは言え、時には親も子もなんだか落ち着かない忙しい時期ってありますよね><いつもいつもしっかり練習できる時ばかりではないと思います。特に、年代的にお勉強が忙しくて、あまりピアノの時間が取れないという方達もいらっしゃって(それでも手を止めず続けて通ってくださる事が本当に素晴らしい!)、そんな方にアドバイスしたいのが、「忙しい時こそ欲張らず、是非ゆっくり練習を!!」ということです。

ピアノは、楽器の中でも最もプログラミング作業を必要とする楽器です。思考の回路をどんな順番で繋いでいくか…特に初期の記憶(譜読み段階)は、脳にはかなり色濃く残ってしまうそうです。譜読みの段階で、ある箇所を何となく弾き間違えたとして、もしそこを矢継ぎ早に何度も弾き直してしまうと、その記憶はしっかり脳に擦り込まれてしまいます。そして、矢継ぎ早を繰り返せば繰り返すほど脳の絡まりはより一層酷くなって><もしいずれ表面的には弾けるようになったように見えても、その曲で本番でもあろうものなら、暗譜になった段階でまたその箇所の脳の記憶が蘇ってきてしまうのです。

ここからは小学校5年生以上の生徒さんに向けてです。もし自宅練習で何度も間違えてしまう箇所があるなら、自分の症状を冷静に見つめて、一体どんな練習方法が当てはまるのか色々と”練習の引き出し”を開けてみてください。もしそれが譜読み段階であっても、「譜読みだから大した練習方法はない…まずは何でもいいから弾いておこう!」と思わないでくださいね。もし練習のアイデアがさっぱり思い浮かばない時は、まずはとにかく”ゆっくり練習”をしましょう。そして次のレッスンでどんな練習が有効か、一緒に引き出しを探しましょうね。もしまだあなたが持っていない引き出しなら、”練習の引き出し”を増やすお手伝いをしますよ。そうやって一つ一つ引き出しを増やしていって、お家でも自分の力で”相応しい練習の引き出し”を見つけられるようになると、ピアノの練習もきっと楽しくなるはずです。

譜読み段階だからといって鍵盤の上っ面をなぞるような曖昧な音を出さない事。時間がないからといって矢継ぎ早に弾き直さない事。譜読みの段階であっても、時間がない時でも、闇雲に意味のない練習をしないこと。短い時間だとしても、いつも良い音で。丁寧に一つ一つ意味のある音を重ねましょうね!

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