ここ2年余、経験したことのない難題に世界中の人々が心を痛める事態となりましたね。
教室を卒業した元生徒さんの中にも、海外音大を志望しつつ、実技試験とは全く別のところで、目の前に立ちはだかる多くの壁にぶち合っている人もいます。
また、現在マスターコースのサポートをしてくれている長女も、今年3月に帰国するまでの最後の学期は、ドイツで本当に大変な日々を過ごしていました。
現生徒さん達も、この2年間はステージで演奏する機会も減ってしまい、特に専門に学んでいる学生さん達は、あらためて”音楽で生きていく”という意義を、真から問うた日々だったのではないでしょうか。
そんな中でも、少しずつ演奏会が戻ってきています。
教室卒業生の演奏会、夏に出場したコンクールのご褒美演奏会、また、挑戦していたコンクールで次の駒へ進む機会を頂いたりと、皆さん希望を取り戻しつつ、それぞれ本番調整に励んでいます。
ピアノは、他の楽器と違って、自分の楽器をホールに持っていくことができませんよね。
本番で自分がどんな楽器を触ることになるのか…
勿論、ピアノを上手く弾くには指の鍛錬は必須条件ですが、それだけだと本番思うような音楽を創り出すことは難しいです。
どんな音楽を作りたいのか、自分が今まさに紡ぎ出そうとしている音そのもののイメージをしっかり持って、ピントを合わせた日常練習がとても大切です。
「練習が面倒だよ〜」と思ってるちびっ子も多いと思いますが、「忍耐の先に喜びがある…」と思えるのはまだまだ先。やはり小さな頃は、楽しくないことはしたくないのは当たり前でしょうか。
かと言って、小さな頃の、丁寧で効率の良い練習は、将来のための大切な引き出しです。
この引き出しを一つでも多く、何より楽しく増やしていく為に、これからも親御さんにご協力いただきながら、工夫を重ねていきたいと思っています。
芸術の秋!
時間と心を尽くし、何百年も前の作品にとことん向き合い崇高な音楽を実現していく作業は、本当に何にも変え難い至福の時間です。
小さな生徒さん達が大きくなったとき、この様な時間を”豊かで尊い時間だ”と思えるよう、皆さんそれぞれの段階で、自宅練習をも存分に楽しんでいただけたら嬉しいです♪
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