心の感度

秋ですね。毎朝窓を開けるのが楽しみなくらい爽やかな空気です。今朝は百合子先生が大人の方のバッハレッスンをしていて、隣のピアノ室から微かにバッハのメヌエットが聴こえてきています。窓の外では小鳥も囀り、小鳥とバッハの音楽が相まってどこか遠くのホールで室内楽の演奏会が行われているような…朝からずっと、そんな不思議な空気感に包まれています♪

バッハの鍵盤作品は、大袈裟な跳躍やロマン派以降のような誇張された和音など激動音楽的要素が少ないので、一瞬一瞬のほんのささやかな音楽の移ろいにも心をとめられるかが重要になってきますね。ショパンやラフマニノフのように”心が抉られるような何か”があれば気付くこともできますが、一見、当たり前のようにも見えるフレーズから”真珠の煌めき”を見つけ出さなくてはいけないのですから、指先の感度は勿論のこと、心の感度も本当に大切です。

そのような”心の感度”をあげられる素材は、日々生活の中にたくさん溢れてるのですが、しかしそれも頭が芸術の方を向いていてこそ!普段の日常生活においては、なかなかそこだけに心を置いておくことはできませんよね。かく言う私もそうです。例えば、本当は心地良い秋の朝を体感したいけれど、何も考えずにうっかり不意に動き出してしまうと、お布団から出て階段を降りている途中からもう”…えーっと今日はコレをやってアレをやって……バタバタバタ・・”と不本意な感じで1日がスタートしてしまいます。そうなってしまうと、何かにつけてどこかせわしない気持ちが続いてしまうので、忙しい時ほど要所要所で音楽に助けてもらっています。時間がある時にお気に入りの音楽を色々と整理しておいて、1日を通してタイミングよく音楽を流し作業をすることが多いです。勿論クラッシック音楽がほとんどですが、時には頭がクラッシックから少し離れたがっている時もあり、民族音楽やジャス、ボサノヴァ、アコースティックギターなど聴くこともあります。

この時期は、色づく景色も手伝って心の感度も上がりやすいと思います。皆さんも、色々な音楽を聴いて家事などやってみてください。音楽が流れているだけで、それだけでいつもの当たり前の作業が不思議と宝石のような時間に変わりますから。特に、普段クラッシック音楽など腰を据えてなかなか聴かないわ‥という方は、お子さん達が幼稚園や学校に行ってる間、是非、家事のお供にクラッシック音楽を聴いてみてくださいね!

コメント