本番前、どんなふうに過ごしていますか?

皆さん、本番まで1ヶ月を切ったらお家ではどんな風に過ごされていらっしゃるでしょうか。小さなお子さん達を眺めていると、本番が近づけば近づくほど親御さんは不安が募り、でも子供たちは相変わらずマイペース^^;……。お子さんの態度によっては「そんな風に弾いてると本番で間違えちゃうよ!」と言いたくなるような場面もおありかと思います。が、いえいえ、「間違えちゃうよ!」は、口が裂けてもゼーッタイに言ってはいけません。ピアノの本番は一瞬一瞬が勝負で、1秒たりとも思考を止めることはできません。常日頃、演奏にあれやこれや言われている子や、不安を煽るような言葉や表情を投げかけられているお子さんは、本番直前「もし間違えたら先生やお母さんはなんて思うかな…」と一瞬脳をかすめるのです。芸術に関係のない一瞬の思考…大袈裟でなくそれが命取りになることもあるのです。命取りまでとはいかなくても、自分の演奏の出来不出来によって、周りの大人の機嫌が変わることを知っているお子さんは、必要以上に緊張し、どうしても良いパフォーマンスに繋がりにくいです。

といっても、決して腫れ物に触るようなことではありません。むしろ「緊張なんてへのカッパ!」と、図太く強い心で挑んでいけるよう空想の渦に巻き込んでいただきたいのです。お子さんによっては、ひとたび音が鳴り始めたら、すぐさま作品の世界に没頭できるお子さんがいらっしゃいます。そのようなお子さんは、自分のピアノによって周りの大人の表情が綻び、「いつも素敵な演奏を聞かせてくれてありがとう」と、ポジティブな言葉のシャワーを浴びています。だから本番でも実に伸び伸びとしているのです。一方、いつも練習内容にあーだこーだ言われているお子さんは、自分のピアノが始まるとお母さんの注意やイライラがはじまる…と思っています。どうですか?スタートラインそのものに天と地の差がありますよね?子供達は、大人の言葉や表情の奥の意味を全て全て感じ取り心に刻んでいるのです。そして、それを良くも悪くも、そっくりそのまま自分のエネルギーの量に変換しているのです。

緊張する本番でも、こじんまりせず、作品の世界観に浸って生き生き弾くために、脳の中を”自分と作品との対峙!”ただただこの状態にしてあげたいものですね。本番では自信に満ち溢れた”役者”になりきってもらわなければいけませんから、常日頃から空想の世界を膨らませるようなサポートしていただきたいです。たっくさん絵本を読んであげて(空想力・集中力)、一緒にジャングルジムに登ったりボール遊びをしたり(体幹や足の裏を鍛える)、彩り豊かな食事を作ってあげて(メンタルに強い体作る)常日頃から心豊かな生活を送って頂きたいです。お手伝いも最高のスパイス!寝る前に”今日あった嬉しかったこと”を言ってもらう…というのも良いでしょう。毎日の練習では、あなたの音楽大好きよ!と、無条件でお子さんの奏でる音楽を好きでいてくださり、是非それを言葉にしてあげましょう。「私がピアノを弾くと、みんなこんなにも嬉しいんだ!」と実感している子は、本番にとても強いです。そして、難しい練習も根気よくやってくれるのです。

ピアノの上達は一足飛びにはいかない事を重々ご理解くださり、一つ一つ、一歩一歩、お子さんのペースを見誤らないよう、ニッコニコで応援していただきたいです。*\(^o^)/*

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