質問大歓迎!

5月6月と小学生さん達の本番が続き、試演会やホールレッスン、また、コンクールのために外の先生からお預かりしている方々が来てくださったりと、教室内はいつにも増して活気があります。本番間近の小学生さん達も日々とても熱心に学んでくださっていますが、レッスン時の姿勢は勿論のこと、皆さんお家へ帰っても色々と疑問がわくのか、あれやこれやメールや動画で様々な質問が送られてきます。(マスターコースの方々は、レッスンに加えて動画での確認もOKとさせていただいています) その質問の数々をみると、疑問を何とか解決しようとする本人なりの工夫に感心させられたり、作品のことをこんなにも真剣に考えてくれているのかと嬉しくなったり、皆さんのエネルギーに私も日々勇気をもらっています。

年齢が小さければ小さいほど、コンクールへの向き合い方は悩ましいですよね(^^;;……結果を追い求めれば追い求めるほど、咀嚼することを忘れて、頭で考えずただ繰り返すだけの練習になりがちです。どんな風に弾けば入賞できるのか、と、ただ単に先生に教えられた通りの演奏を、頭で考えることもせず、噛み砕くこともせず、とにかく毎日毎日言われた通りせっせとレプリカをつくることになんの意味があるのか……。味わったり考えたり感じることを忘れた練習は、繰り返せば繰り返すほど機械的になっていき、勿論楽しさも募っていきません。日々の音楽に心を動かされる経験が少ない子は、嬉しさをどこに追い求めるかというと、結局は”良い賞”を得られた時の高揚感を追い求めるよりほかないのです。芸術のためのピアノだったはずなのに、真似っこ反復練習の繰り返しの日々、楽しさどころか気づけば苦しさが募っている…ということはないでしょうか。

一方、作品を掘り下げる喜びを知っている子は、辛い練習も、時に残念な結果も、その時々作品のエネルギーに助けられ、作品の中に喜びを見出し、リズムに活力をもらいハーモニーに癒されて、また次の一歩を踏み出していくことができるものです。レッスンでのアドバイスを元に自宅で一人練習してみると、あれやこれや疑問が沸く……。そんな時、わからなければまずは自分で考えてみて、解決できる道はないかと色々やってみる。本当にこの音でいいの?ここってどんな音?この音を出すためのテクニック練習は?勿論先生への質問も大歓迎!……あーでもないこーでもないとやってみているこの「考える時間」こそが、尊い芸術の時間で、正に、コンクールチャレンジで是非経験して欲しいと思っている「作品を掘り下げる喜び」に直結しているのです!

スピードを求められる現代、うっかりすると大人の方も、子供達に”考える時間”を提供することさえ端折りがちになりますが、楽譜を前に一生懸命”考える”ことは、とてもとても豊かな時間だと思います。できるだけ多くの子供達に経験して欲しい時間です。

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