本番間近のお子さんへの接し方

我が子の本番が近くなってくると、親御さんもハラハラもやもや><心乱れる時を過ごしていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。今回は、皆さんの心が少しでも軽くなるよう、本番前の我が子への接し方についてお話ししてみようと思います♪

振り向けばそこに笑顔(╹◡╹) まずはとても基本的な事ですが、お子さんの練習はとにかく笑顔で見守りましょう。特に本番前10日をきったらピアノ以外の私生活においてもお子さんの心がざわつかないよう、”和顔愛語”笑顔と優しい言葉をかけてあげたいものですね。この時期、先生からは具体的な練習方法を提案していただけてることと思います。とにかくその課題をコツコツ毎日丁寧にやるのみ!。もし何らかの理由で出来なかった日は、親御さんは決して声を荒げず騒がず、できるだけ2日以内にその日の分の課題を消化できるよう応援してあげてください。サポートする側も大変なこと重々お察ししておりますが><、何とか穏やかに笑顔で乗り切ってくださいね。そして、練習が終わってお子さんが駆け寄ってきたら、必ず必ず笑顔で応えてあげてくださいませ。たまに、ピアノのレッスンや練習中など、チラッチラッと親御さんの方を振り向かれるお子さんがいらっしゃいます。振り向くには理由があるのですが(このお話はまた今度)そんな時は、お子さんが振り向けば、いつもそこに笑顔が待っている♪ そんな状態にしてあげたいものです。多かれ少なかれ、本番前はお子さんも不安を抱いていることでしょう。親御さんの笑顔は何よりの安心材料です。とにかく笑顔でお過ごしくださいね。

「動画撮ってみるよ〜」作戦  とはいうものの、毎日毎日丁寧な練習ができるか…というとそうは上手くいかないのが子供ですよね(-。-;そんな時は、ぜひ動画を撮ってあげてください。動画を撮るよーというと、少し気持ちがピリッとします。または、まんまとその作戦に乗ってきてくれなかった場合は、「先生が”今日の練習を動画に撮って送ってねー”って言ったから今日は動画を撮るよ!」と、携帯カメラで是非練習状況を撮ってあげてください。ただし、ごちゃごちゃと揉めてしまってから「さあ撮るよ!」では、おそらく上手くいきません。ぐずぐずグダグダになってしまった日は、その日はエンジンがかからなかったと諦めて…その代わり次の日に、練習始める前に撮影宣言なさって、お子さんの気持ちが固まった状態で是非写してあげてください。あとから本人と一緒に演奏動画を観るも良し!遠く離れたお爺ちゃんお婆ちゃんに送るも良し、勿論実際に私に送ってくださっても良し!(LINEで動画送れるのは5分まで)とにかく丁寧な演奏を重ねることが重要です。

「そんなやり方してると間違えちゃうよ」は禁句!!  では逆に、本番前に避けたい言葉はあるのでしょうか……はいはい、あるのです。まず真っ先に避けていただきたい言葉は「間違えちゃうよ!」。練習しないと間違えちゃうよ。・しっかりやらないと間違えちゃうよ。・ホラホラそこ!注意して弾かないと間違えちゃうよ……この「間違えちゃうよ」発言は、本当にと〜っても怖い言葉。この言葉は、本番必ず間違えるようお子さんに暗示をかけているようなものなのです。例えば、ミスしやすいパッセージがあって、それを克服すべく先生から部分練習課題が与えられているとしましょう。親御さんはその箇所がちゃんと弾けてるのか、弾けるようになったのか、ものすごく気になるので、練習中そこの部分が来ると口を出す(⌒-⌒; ) 「はい!もう一回、まだまだ!もう一回、そこ間違えなくなるまでちゃんと練習して……」など、その部分のミスを刷り込むような言葉をかけて、何度も何度もやらせていらっしゃるとすれば、それは全くの逆効果!!お子さんは本番で、いつも注意されてる箇所が近づくと「あ、もうすぐ間違えやすいところだ……」と頭をよぎる……もうね、よぎっちゃったらほぼ100%間違えちゃうんです。悲しいことにコレ本当なんです。演奏中の脳の仕組みは心と直結しています。日々の記憶が曲のある箇所でフラッシュバックするのです((((;゚Д゚)))))))。普段でもそうですが、特に本番前は「間違える」という言葉や、「弾けてないところもう一回!」など、ミスを印象づける言葉は使わない方が賢明です。

とにかく黙々と丁寧にやるのみ!  ならば、どうしたら良いのか…。そのような場合には、他の練習課題と同じ意識で、どの練習も黙々と丁寧にやるのみです。「ここはいつも間違えちゃう箇所だから特にしっかりやろう!」などと、間違える意識を持たせないことが本当に大切。かといって、やはりそこはミスしやすいのですから丁寧な練習をしなければなりません。おそらくミスしやすい箇所は、先生から有効な練習方法を具体的に提示していただいてるはずです。お家では敢えて”間違えやすいから”という言葉は使わずに、ただ黙々と丁寧にやるのみです!どうしてもミスをクリアできない場合は、メールなどお子さんに気付かれない方法で、次回レッスンで先生から良い練習方法をご提示いただけるよう、事前にお願いするといいですね。曖昧な練習が一番いけません。コレをやれば絶対に上手になる!という具体的な練習を丁寧にこなして成功体験を積み重ねることが肝心です。

避けたい言葉パート2  「しっかりやってくれないとママも恥ずかしいから」……勿論こんな事を言ってはいけないとおわかりかと思いますが、いえいえ、日常でいつの間にか柔らか〜く仰ってる親御さん案外多いと思います。本番の日までその子なりに一生懸命取り組んできて、それで本番我が子がどのような演奏をしても、それは本当に本当に頑張った証です。勿論ノーミスでピッカピカに弾けたらそれが一番嬉しいでしょうが、ですが、お子さんの日々のレッスン状況やご家庭の練習状況を踏まえて、真のお子さんの頑張りそのものを是非心から喜んであげて頂きたいです。誰のためにピアノを弾くのか…親御さんのためでもなく、お爺ちゃんお婆ちゃんのためでもなく、勿論先生のためでもなく、生徒さん自分自身の為に弾くのです。

避けたい言葉パート3       お子さんの前で”練習しない愚痴をこぼさない”こと!。よくあるのが、決して重たい話でなく半分笑い話のように、ママがパパさんへ、または実家のお母さん(生徒さんのお婆ちゃん)へ、冗談混じりで愚痴をこぼす……これは耳が痛い方多いのではないでしょうか^^;。お子さんの困った行動を身内に愚痴るのは、是非是非お子さんに聞こえないところでお願いします(⌒-⌒; ) お子さんは、自分の噂話はめちゃくちゃダンボで聞いていますよね。そして、笑って聞いてるようで、実は心のヒダにしっかり刻まれています。先程から何度も言ってるように、本番でピアノを弾く時の”脳と心”は、かなり厄介な感じで複雑に絡み合っています。本番は一点の曇りもない心で弾かせてあげたいです。そして、お子さん自身の自己肯定感は、やはり親御さんの何気ない日常会話が作り上げていと言っても過言ではないと思っています。身内の間ですもの、いいじゃないですかとにかくベタ褒めしてあげましょうよ。←もしコレをお聞きになって”いやいや、うちの子褒めるところなどちっともありません!毎日毎日本当に練習そのものが大変で、よかった日などこれっぽっちも無くて、親も子もとにかく疲労困憊クタクタです><“という方、真剣に先生にご相談なさった方が良いかもしれませんね。ピアノとは、そんなただただ苦しいものではないのですから。

最後に!  お子さんにとってピアノの本番というのは、親御さんが想像するより遥かに大変なことです。それだけに、本番ステージを経験するとしないとでは、お子さんを一まわりも二まわりも成長させてくれる本当に大切で大きな経験です。ですから、誰にでも簡単にできることではないからこそ、本番でしか味わえない大きなエネルギーが存在しています。長年に渡り関わらせていただいている生徒さんたちから、そのエネルギーの積み重ねの偉大さをヒシヒシ感じているからこそ、大変とわかっていても皆さんに本番ステージをお勧めするのです。ステージは一期一会。生徒さん達の手から紡ぎ出されたすべての音が、とにかく愛おしいです。その子の年齢、弾く曲、居合わせた人、どれをとってもニ度と同じ音楽は巡ってこないのですから、どうぞどうぞそんな大切な日を、ご家族皆さん笑顔でお迎えくださいね

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