音楽はコミュニケーション

 この春、長い間家を空けていた長女が帰郷し、久しぶりにC7を弾いて「出したい音がなかなか出せないから、鍵盤の具合をもう少し変えてみてくれないか」と言い出したので、悩んだ末、調律師さんとご相談して、丸1日がかりでハンマーの調整をしていただきました。

 若い人達の演奏を聴いていると、つくづく、”音楽はコミュニケーション”だと実感します。
ピアノは、ある種の“型”のようなものがある世界なので、感性はひとまず置いておいて、毎日ピアノに向かい、決められた練習をコツコツやってテクニックを積み上げることは勿論大切です。
が、更にその先に、出したい音がある人、伝えたい音楽がある人のピアノは、本当に説得力があり、聴く人の心のヒダに入り込み、多くの人の心を動かすものだと思います。それを実感した時、心から音楽が大好きだ!!と思える瞬間です。
 
 ”好き!”という気持ちが増えれば増えるほど、演奏したい欲も、練習したい欲も増えるのですが、でも、どうやって”好き!”を増やすの?練習を沢山やったら増えるの?練習だけで心も膨らむのかなぁ?そもそもこれって1人でに増えていくものなの?
これは、おそらく指導者全員の永遠の課題だと思います。

音楽に限らず、私たち周りの大人は、子供たちの中に潜んでいる何かしらの情熱の火種を見つけ、そしてそれを少しでも大きな火にしてあげる努力をしなくてはいけないように思います。

多くの親子さんにご縁をいただきサポートさせていただく中で、演奏したい!練習したい!と思えるほど好きになるには、やはり、子供の頃からの”天真爛漫な開放された心”が何より大切と感じます。

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