夏休み企画の”初見大会”^ ^、予想以上に沢山の効果がありました。今回お渡ししたのは、初見専用のテキストなわけでなく教室備品のピアノテキストで、皆さんが今やっているレベルより2段階くらい優しい本をお貸しして楽しく取り組んでいただきました。自主的な取り組みとしてお願いしていたにも関わらず、2冊3冊どんどんお代わりしてくれる方達がいたり、「夏休みが終わっても初見を続けた〜い♪(*´∀`)♪」と言ってくれる子もいました。皆さん口を揃えて言うには、新しい曲を読むのはすごく楽しいのだそう…。中には連弾の楽譜を持ち帰っていただいた方もいて、その方達は1日一曲親子連弾を楽しまれていました。はじめから”初見”と割り切っていれば、親も子もどちらか間違えたりつっかえたりしても笑ってやり過ごせる…と、険悪ムードになることもなく(^-^;楽しく取り組めたそうです♪
譜読みのスキルをあげるには、新しい楽譜を一曲でも多く・新しい楽譜の音符1玉でも多く読むことです。残念ながら、一度読んだことのある”カード”のようなものを繰り返し何度読んだところで、「楽譜を読む」というスキルは上がらないのが実情です。これは著名なピアニスト先生方も著書やセミナーなどでお話くださってることです。
楽譜は紙で平面ですが、大いに立体的な性格を持ち合わせています。ただの紙ですから見た目には2次元ですが、楽譜を読むにはそこに高さなど3Dのような3次元の世界が加わり、さらに深く読み込むには、時間空間をも再現しなければならないので4次元的感覚までをも読み取る力が必要です。幼少の頃に”音読みカード”のようなものをやりすぎてしまったであろうお子さん達をお預かりする度、演奏が停滞気味で、意気揚々と推進していく表情を掴んでいただくまでかなりの時間を要するのはそのためだと思われます。まずは、導入で音符単体が読めるようになったら、やっきになってタイムを測ったり、カードをめくるスピード云々などあまりその段階に留まらせず、その段階はサラッと通過して一刻も早く楽譜の流れの中で色々なスキルを学んでいくのが将来につながると思います。
小さな方のためのピアノ教育は、最近特に、頭を良くするため…と言う方向に流れすぎているように思います。ピアノは上手くならなくてもいいから頭が良くなればいい…、レッスンの時だけ楽しめればそれでいい、と割り切っていらっしゃるご家庭はそれで良いかもしれませんが、どちらにしても”流れるようなピアノ”が弾けなければ楽しさもソコソコで終わってしまうのではと思います。いっときピアノを習っている時は手が覚えていてくれるけれど、成長して教室を辞めたら途端に弾けなくなった…音楽はやめてしまった…というのでは、それに費やした時間と労力を思うとなんだかどうしても見合わない感じがしてしまいます。それだけでなく、もしその中に沢山の才能を秘めている子がいたら……親御さんによっては”頭が良くなればそれでいい”なんて思っていなくて、ピアノが上手くなると思って通ったのに、結局はあまり腕が上がらなかった…となると、やはりそれは私たち指導者の責任のように思います。この、日本独特のドリルのようなピアノ教育をなんとか変えたいなぁ〜と、ものずご〜く微力ながら、小さな教室で活動を続けていますm(_ _)m
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