どんどん外の世界へと出ていこう!

2学期が始まってひと月が過ぎ、それぞれまたピアノ練習の歩幅も定まってきている様ですね。小さな生徒さんの「次の曲も、またその次の曲も弾いてきたよ!!」と、キラキラした目で生き生きお話ししてくれる声が本当に嬉しいです。そんな中、大学生は長い夏休みも終わり後期の授業がやっと始まりましたね。音楽学生というのは本当に忙しくて、夏休み中でもレッスンやコンクール、演奏会…何かと忙しい生徒さんが多いです。海外の先生のマスターレッスンを受講したり、中には国際セミナーに参加された方もいらして、それぞれ準備は大変でしたが各々濃密な時間を過ごしたことでしょう。国際セミナーに参加された方は、光栄にも師事した教授から最後のスチューデントコンサートに選出いただき、大勢のお客様の前で渾身の演奏を披露できたことは何より貴重な経験となった事と思います。丸2週間、はじめて出会った人達と寝食を共にし、志を同じくする者たちで学んだ日々がいかに大きなものだったか……本人からの熱いメールを読ませていただき、得たものの大きさを窺い知ることができました。

どうしたら少しでも本物の音楽に近づけるか……これはもう環境以外の何ものでもありませんね。よく、「何処で学ぶかではなく、何を学ぶか」…という言葉を聞きますが、音楽の場合は、やはり何処で学ぶかも重要なポイントになってくるのは否めません。勿論本人の強い志し次第で、今居る場所がどうにでも変化するのは間違いありませんが、とは言え、毎日毎日耳に入ってくる”共に学ぶ人達から生み出される音楽”もまた、各々の素地づくりの一端を大いに担っているのも事実です。何を目的にどんな人達が集っているか…その人達がどんな音楽を求めているか…皆さんの音楽的思考は気づかないうちに今の環境に大きく左右されています。それを思うと、皆さんのいる世界が”自宅ピアノ室”→ 学校や教室の”レッスン室”→”コンクール会場”のトライアングルになってしまわないよう、いつも広い視野で音楽を見つめられるよう、どんどん外の世界へと出ていって欲しいと思います。また、専門の場で学んでいる人達だけでなく、現在何かしらに挑戦している全ての方に知って欲しいことは、今あなた達が見ている世界は、広い広〜い音楽の世界のほんの一部分でしかないということです。音楽の世界は、もっともっと広くて、大きくて、豊かで、何より自由な世界です。窮屈にならず、こじんまりまとまらず、ぜひ勇気を出して自ら外へ外へと歩みを広げていって欲しいです。

そしてそれは何も生徒の皆さんだけに限ったことではなく、指導者側にも言えることだと思います。大袈裟かもしれませんが、個々のピアノ教室の環境でさえその様な責任を担っていることを私自身も肝に銘じて、趣味、専門関係なく、小さな小さなピアノ教室の中にいてもいつも広くて大きく豊かな世界を見続けていたいです!

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