娘達が小さかった頃、夏休みによく「アマゾン川ごっこ」という遊びをしていました。部屋そのものがアマゾン川で、川にはワニが沢山いて(・_・;あちこちに配置した座布団やクッションへ飛び移ってはキャーキャー言ったり、時には地図みたいなものをひろげて(←地図風の落書き)何やら真剣に相談したり。その冒険は夜まで続くことがあり、「すみません…なにかたべものをください」と息絶え絶え言ってくるので(; ̄◇ ̄)、トウモロコシを丸ごと茹でてあげたり、川魚を串刺しにしてグリルで焼いてあげたりしました。すると2人は段ボールで作ったようなバラック小屋で、鼻息荒く魚をむさぼるように食べて、「ここでこのまま寝る」…というので、「ワニは汗の匂いに敏感だから、体は洗った方がいい」とアドバイスして、ベランダで水浴びさせて、一応パジャマに着替えて(^^;;そのまま段ボールの中で寝たりしていました。寝てからこっそり布団を持っていき……。
その他にも、オペラごっこ(順番にソファーへあがっては、1人ずつ即興でデタラメな歌を歌いまくる)や、鳩ごっこ(←1人がダイニングの椅子からポップコーンをまき、もう1人がクチバシでそのポップコーンを食べる←( ; ; )なんとも切ない遊びでしたが、姉・妹代わる代わるハト役になるので見守ってました)や、ドラえもんの新しい道具を作ったり、本当に数えきれないほどのヘンテコな楽しい遊びをしていました。
一般的には、”感性を育てる”イコール=芸術と思われがちですが、感性を育むヒントは、日常生活のあちこちに転がっていると思います。
そもそも感性とは……物事を心に深く感じ取る働き。感受性。外界からの物事を受け止め、悟性(知性・理解力)へのアプローチの為の材料・アプローチする能力
つまり感性とは、心を豊かにするだけでなく、生きていく為に必要な様々な力になってくれるという事ですね。芸術をやるならないに関わらず、是非磨いておいてあげたい能力です。
ズバリ、感性を磨くには、お子さんの心を沢山たくさん動かしてあげる事だと思います。元々赤ん坊は、見るもの全てが珍しく、体験する全てが刺激的で、遊びを通して毎日ワクワクしながら成長し、その曲線は緩やかになっていくものの、その刺激や能力は本来一生なくならないそうです。ですが、成長する過程で理性・知性の方を重要視するようになり、いつしか”感性”のアンテナの感度が鈍くなり、そのうちアンテナを張る事さえ忘れてしまう…。
特に近年は、デジタルの低年齢化で、比較的小さな子供でも感性のアンテナの張り方を忘れてしまって、本来人間の持つ”集中力”や“困難に打ち勝つエネルギー”を奪っていってしまうというデータもあるそうです。小さなうちから、分不相応なネットの強烈な刺激にさらされてしまって、年齢に相応しい、本来のワクワクする素朴な刺激には心が動かなくなってしまっているとしたら、それは本当に悲しいことですね。
ネットは、情報収集には最良ですが、感性とは真逆にあります。脳の報酬系を刺激して依存させ、次から次へと情報を見たくなるよう仕向けられています。はじめはしっかりとした意志を持って収集を始めますが、あまりの情報の多さにそのうち集中力が格段に低下します。でも尚且つネットは同じように大量の情報を流し続けるので、自分の情報処理能力が追いつかずパンクします。パンクした後、思考は完全に停止しているにも関わらず、条件反射でただただ流れ作業的に次の情報を探し続けてしまう…いわゆるそれがネットサーフィンの仕組みだそうです。この時の脳の状態は何も機能していないそうです。なんと時間の無駄遣い!!>< しかし、時間だけが無駄に過ぎるのでしたらまだマシですが、この時の、人の脳に与える影響は”大”だそうです。本当に怖いお話ですよね。
世界のIT先駆者達は、そのデメリットを充分理解しているからこそ、彼らのほとんどが、自分の子供にはある程度の年齢になるまで、ネットは絶対に与えなかった…また、使用できる年齢になっても、厳しく使用時間を制限していたそうです。ネットは、どの子も、放っておいても嫌でも必ず出会う時が来るのですから、与える時期や頻度は、大人が責任と自覚を持って慎重に促してあげたいものですね。
本来子どもの遊びとは”創意工夫”そのものです。子ども達が遊んでいるときは、極めて柔軟で創造的な行動をとっていて、お絵描きでも折り紙でも、たった一人で静かに遊んでいたとしても、遊びは人が生きていく為に重要な認知スキルを発達させるとされています。
お人形遊び、電車遊び、お砂場遊び…子どもたちの創意工夫に溢れた遊びこそ感性を育んでいるのですから、大人は、子ども達がますますその世界観に浸れるよう環境を提供してあげたり、時に、一緒に子どもたちの夢の世界の住人になってあげたり、親子で工夫を凝らして、家族皆で夢の世界を楽しめるような、そんなゆとりある社会になってくれたらいいなぁと、日々そんなことを思ったりしています。
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