練習:小学生編

以前の日記でも書きましたが「同じ面倒なことでも、学校の宿題は自分からやるのにピアノ練習は自分からしない。こんなにも足が向かないなんて、好きと言ってるわりには本当は好きじゃないのでは?」というお声も、本当にたくさん耳にします。

これはきっと、数少ない経験値の中でも、子供たちの中で優先順位というものができていくのでしょうね。子供達にとって、学校とは生活の中心で、学校生活こそが子供達の社会のほとんど全てです。もし宿題を忘れていったらどうなるか…学校での様々な経験を重ねていくうちに、子供ながらに「こんな大切な場所で、自分だけ宿題を忘れていくわけにはいかない!」と思えるようになっていくのでしょう。

一方ピアノはというと、もし練習不足で上手くレッスンを受けられなかったとしても、自分1人の胸にしまっておけたり、何らかの理由があって練習をする事が出来なかった週など、先生に理由を打ち明けられたり、時に親御さんが一言助け舟を出してくださったり…と、やはり学校よりは随分と個人的な場所、リラックスした場所なのだと思います。そうしているうちに、何となく、子供達の中での優先順位というものが決まっていくのだろうと思います。

ただでさえ優先順位の低いピアノレッスンですから、”ピアノを弾く”という行為がもっとお気楽にできたら良かったのですが、これがまた、学校の宿題よりも何倍も脳みそを使わなくてはならないところが、子供達の心をより複雑にしているのです。

ピアノを弾くには、かなり複雑な情報処理能力が求められます。折り紙やお絵描きや、流行歌をつま弾くような具合に気楽に取り組めるものではありません。生き生きとした流暢な演奏ができている人の脳の中身は、実は、手(指)の作業と思考とは0.0何秒か僅かにズレていて、今、手がリアルタイムでやってることよりも、脳は、ほんの少し先の情報を処理しています。そして、滞ることなく、かなりの集中力をもってその行為を先へ先へと連続させているのです。視覚、脳、手、耳、それぞれが全く違う事を、しかもそれを同時進行していかないといけない作業は、小さなお子さんにとっては全く経験のない、とてもとても難しい事なのです。もし、ピアノを弾くことをしなければ、おそらくこれは”一生経験する事のない脳の使い方”と言われているくらい、ピアノ演奏には、相当ハイレベルな情報処理能力が求められるのです。このような、難しいピアノ練習にご自宅でたった一人で挑むのですから、子供達にとっては、やっぱりピアノ練習の椅子は遠くて遠くて仕方がないのでしょうね。

そこで私からのご提案です!せめてお子さんが小学校低学年くらいまでは、自宅練習の際、親御さんは是非横についてあげて、笑顔で励ましていただきたいと思います。眉間にシワ寄せて…じゃないですよ、笑顔で…ですよ♪ ピアノ経験がない方は、時にはお子さんから教わったり(教わるフリ?をしたり^^;;)、ピアノ経験がおありの親御さんは、楽曲について一緒にイメージを広げたり、あくまでお子さんと同じ目線でどんどん意見交換なさっていただきたいです。

それだけでなく、もし可能なら、是非親子で連弾を楽しんでくださいませ♪ ピアノ経験がない方でも、いつも横で見守ってくださったら、1年生レベルくらいでしたら何とかついていけるのではないでしょうか。親子で、左右片手ずつの分担奏や、まだ両手は弾いていないお子さんなら、同じメロディを一緒になぞったり…と、是非2人並んで親子連弾していただきたいです。お父さんと3人での6手連弾なども最高ですね。手拍子や足踏み、ラップの芯でクッションを叩いたりなどなど、どうぞご家族皆さんで、一緒にアンサンブルを楽しんでいただけたらと思います♪ 

はじめは遠い遠いピアノの椅子でも、できた!という喜びの経験が積めたら、本当に少しずつその距離は縮まっていくでしょう。それでも難しい事に変わりありませんから、すんなりとスムーズに…というわけにはいきません。とにかくまずは「面倒だと思っていたけれど、取り掛かってしまえば出来るじゃん!」「面倒だと思っていたけれど、スラスラ弾けるってこんなに楽しいんだ!」という心の経験を、根気よく積み重ねていくことが大切だと思います。

根比べです!頑張ってくださいね♪

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