小さな手

ピアノを始めたばかりの子どもの手はまだ未熟で、思い通りに動かなくて、ちょっとしたことでつまづくけれど、そばで見ている大人はいつどんな時も「だいじょうぶだよ」と広い心で声をかけてあげたいです。その気持ちが伝わって、小さな手は、安心してまた動きだしてくれるのです。失敗を恐れて手を引っ込めてしまうより、「とにかくやってみよう!」という好奇心が、子どもたちみんなの中に芽吹いてくれるといいなぁと思います。

例えば小さな子が、何かしらの選択をしないといけないような場面で親が望んでいない方を選択して、その答えに対して親が一瞬、「ん?」と心に思ったとします。そんな時子どもは、大人の表情を瞬時に感じとり、心情さえも読み取ると言われています。そのような場面でも、子どもがたとえ大人の望む方の答えを出さなかったとしても、何があろうと周りの大人はにっこり笑顔を貫いていると、子どもの中にある”本来もちあわせている好奇心”というものは薄れず、どんな事にも挑戦しようという勇気ある心が育っていくそうです。でも、心情も見破られてますからね^^;顔では笑っているけれど、心の中では「違うよソレ!そっちじゃなくてコッチが正解よ。コッチを選びなさいよ!」と思ってるとしたら、やっぱり以心伝心(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)全てお見通しで伝わってしまうのです。長い間それを繰り返していると、親の顔色を伺って答えを選ぼうとしはじめて、そのうち、少しでも不安がよぎることは手を出さないようになってしまうそうです。ピアノも全く同じ!何もかも初めてのことばかりで知らないのだから、何をやってもOK、はじめはできなくたって、間違えたって大丈夫なのです。そうして無邪気に能動的に手を動かしているうちに、小さな手は少しずつ育っていって、だんだん思い通りになっていって、動くことが楽しくなって、いつしか自分だけの音を見つけるために一生懸命考えて、どんな音を出そうかとワクワク反復する子になっていってくれるのです。

芸術とは、感じたこと表現したいことを、誰かに向けて伝えたい!という気持ち。心で感じたことをどういう方法で伝えるか、どうやったらより伝わるか、創り出す人と、そしてそれを鑑賞する人の両方の心が響き合って、お互いの心が色んな形で動いていく”心と心のキャッチボール”です。そしてそのキャッチボール、本当に楽しく心地良いのです。

でもその前に!感じないことには始まらないですよね。感じ、表現する心が伸びていくには、お子さんが”開放(解放)された心”でいられることが大切です。本当の意味で開放された心というのは、感じる心が育つだけでなく、能動的な自主性も育つそうです。そして、開放された心というのは、なにも明るい方へ向いている事だけでなく、時に爆発するかもしれません。が、それも含めて「伝えたい!」という気持ち。取り組んでいる曲が少しずつ難しくなって、思うように出来なくてイライラすることもあるかもしれないけれど、そんな時でも、もしピアノの音を鳴らしてくれたのなら、それはそれで、親御さんはイガイガしたピアノの音にも耳を傾けてあげてください。はたまた音さえ鳴らしてくれない時もあるかもしれないけれど><、それもぜ〜んぶひっくるめて心の音。イライラ、メソメソ、ぷんぷん、ワクワク、にこにこ、るんるん、音っていろんな色になるんです!チクチクした音を並べたことを指摘するより、チクチクした心ででもピアノに向かえたことを褒めてあげて、明日は”まあるい音”が出せるよう、みんなで考えていきたいですね♪

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